ヘリカルCT

腹部の臓器に関しては、熟練した専門の技師による超音波(エコー)検査とヘリカル(らせん)CTでの検査を行っています。肝臓、胆嚢、すい臓の精密検査に加え、腹部では腎臓、前立腺、子宮、卵巣の検査が可能です。

ヘリカルCTの特徴

ヘリカルCTとは

ヘリカルCTとは

スパイラルCT、らせんCTとも呼ばれます。従来のCTでは、1スライスの撮影ごとにテーブルを少し動かし微調整を行いながら撮影を繰り返していました。
しかしヘリカルCTでは、管球の回転とテーブルの移動を同時に行うことで体をらせん状にスキャンしてすべてのスライスが一度に撮影できます。

検査時間の短縮

検査時間の短縮

上記でも述べましたが、すべてのスライスを一度に撮影できるので、従来のCTよりも大幅に時間を短縮させることが可能になりました。例えば腹部のCT撮影に従来15~20分ほどかかっていたものが、ヘリカルCTだとわずか1分ほどで済みます。検査時間が短くなると共に、患者さんをお待たせする時間も大幅に短縮されました。

ダイナミックCT

ダイナミックCTとは、造影剤を血管から30~60秒ほどの時間で注入することにより、体の血行状態などを見る撮影法で、この撮影法により腫瘍の鑑別・発見などに大きな力を発揮します。すべてのスライスを短時間で一度に撮影できるヘリカルCTならではの検査方法です。

ズレのない画像・三次元画像

従来のCTでは撮影者の呼吸や体の微妙な動きによりスライス面のズレがありました。ヘリカルCTでは短い時間ですべてのスライスを撮影しますので、そのようなケースがほとんどありません。また、画像にズレがなく、データに連続性があるので、三次元画像も作成することも可能になりました。

その他

従来のCTと同様に1スライスずつ撮影することも可能で、技術の進歩により従来のCTより薄く高精細な画像を撮影することができます。
また、胸部や腹部を撮影するとき、手を降ろしたまま撮影できることもでき、手を上げて撮影することが困難な高齢者の方の撮影の役に立っています。

腹部エコーの特徴

超音波診断とは

超音波診断とは

超音波(エコー)検査は当クリニックが専門とする消化器科の他、循環器科(心臓、血管)、産婦人科(子宮、卵巣)、泌尿器科(腎臓、膀胱、前立腺)、乳腺や甲状腺の検査において、病変の診断に非常に役立つ検査法です。
超音波(エコー)検査の特徴の一つは臓器の動きをリアルタイムに観察できることや多方向からの観察ができることで、直接見ながら異常の有無や程度を調べます。また、血液の流れ方も知ることができます。

特別な準備を必要としない

超音波(エコー)検査を行うとき、必要なものは超音波検査装置と検査用のゼリーだけです。
特に前処置は必要ありませんが、腹部の検査では食事を摂ると見えづらくなることがありますので、通常は食事を摂らずに来院していただきます。
ある程度の知識と経験が必要ではありますが、他の検査に比べて操作が簡便で必要なときに直ちに行うことができます。

リアルタイム画像の観察ができる

何か異常所見を見つけたときなどは、この特徴を活かして、単なる超音波所見以外の情報を得ることができます。
例えば、圧迫を加えて異常所見の硬さや浸潤範囲を確認できたり、体位変換に伴う貯留物などの移動をリアルタイムで観察することができます。

受診者に苦痛や障害を与えない

超音波(エコー)検査では、プローブをあてるだけで画像が見れるため、検査に伴う苦痛は少ないですが、プローブの種類によっては多少の苦痛が伴う場合もあります(経膣や経直腸など)。
また、超音波(エコー)検査で使用する超音波の周波数では、人体に対する影響はなく、放射線被ばくのような障害はありません。